目次
1.基原
1-1.基原
1-2.調製
2.産地
3.主な成分
3-1.β-asarone(β-アサロン)
(CAS No. 5273-86-9) 【構造式:出典】J-GLOBAL ホームページ
3-2.Eugenol(オイゲノール)
(CAS No. 97-53-0) 【構造式:出典】J-GLOBAL ホームページ
3-3.Acorone(アコロン)
(CAS No. 10121-28-5) 【構造式:出典】J-GLOBAL ホームページ
3-4.その他
・Sesquiterpenoids:Calameone、Isocalamendiol、Acoronene 他
・Phenylpropanoids:ɤ-Asarone、Metyleugenol 他
・Fatty acids:n-Heptylic acid 他
・Other aromatic derivatives:Asarylaldehyde 他
4.効能・効果
4-1.経口
4-1-1.芳香性健胃作用
消化不良、胃炎、胃痛、吐き気、下痢などの改善効果があります。
4-1-2.その他
血圧降下、咳、てんかんなどの改善効果があります。
4-2.入浴剤
4-2-1.血行改善
冷え、腰痛、肩こり、筋肉痛、神経痛、リウマチの改善効果があります。
4-2-2.アロマテラピー
疲労、ストレス、不眠症、ヒステリーの改善効果があります。
4-2-3.その他
皮膚真菌に対して有効と言われています。
5.副作用
*軽度の毒性がありますが、毒性成分の含有量が微量のためリスクは非常に低いです。
5-1.経口
効果が過剰に効きすぎて、吐き気、嘔吐、腹痛などの症状が出る事があります。
5-2.入浴(ショウブ湯)
敏感肌の方は、稀に発疹、赤み、腫れを引き起こす事があります。
参考:Picture This 植物の百科事典
6.副作用の回避
副作用の多くは過剰摂取に起因しています。過量服用や長期使用には注意が必要です。
また、ショウブの根茎を生で内服すると、吐き気、嘔吐する事があり避けるべきです。
7.ショウブ根の多様な研究
Figure:Biological activity of Acorus calamus Linné
【出典】Subhashimini Dukkipati. A Review on Acorus Calamus Linn.
8.トピックス:近年の研究
8-1.ショウブの根の抗菌活性を示す抽出画分と抗菌活性のメカニズムの研究
ショウブ根のヘキサン抽出物には抗菌活性を有している画分あり、それはAsaroneが主成分である事が判明しました。この画分は細菌の細胞膜中の、脂肪酸の組成と膜透過性を変化させる事が判明し、これら事によって抗菌活性が発現する事を示唆されました。
8-2.ショウブ根の抽出物に関する抗癌活性を有する化合物の同定
ショウブ根より抽出されたβ-asarone、β-sistosterol及びStearic acidには肺癌、膵臓癌、結腸癌及び乳癌に対して癌細胞の増殖抑制が認められました。
8.引用文献
・一般社団法人 和ハーブ協会 イー薬草・ドットコム ホームページ
・化成品成分オンライン ショウブ根茎エキスの基本情報・配合目的・安全性
・Trad MPD 生薬学術情報 伝統医薬データベース 菖蒲根
・養命酒製造株式会社 元気通信 生薬ものしり辞典 端午の節句の主役「菖蒲根」
・丸善製薬株式会社(薬粧部)【健康美容EXPO】 植物成分なら「ショウブ根エキス」
・日野製薬株式会社 生薬ブログ(Crude Drug) 【6月】薬草の花 ショウブ(菖蒲)