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入浴施設におけるレジオネラ対策

今回はお風呂の塩素管理の大切さをレジオネラ対策とともにご説明していきます。
当社で扱っている洗浄剤や塩素管理剤も合わせてご紹介していきます。
レジオネラ症を防ぐにはどうすればいいの??

是非ご覧ください♪

レジオネラ症とは?

レジオネラ症は、レジオネラ属菌による細菌感染症です。
主に「エアロゾル感染」「吸引・誤嚥ごえんによる感染」「土壌からの感染」によって発症します。

レジオネラ症の潜伏期間は、2~10日です。
レジオネラ症の主な病型としては、重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱が知られています。

 

レジオネラ肺炎

全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状や咳、38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られるようになります。
また、まれに心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。
軽症例もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。

ポンティアック熱

突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、それらは一過性のもので、自然に治癒します。
レジオネラ属菌はヒトからヒトへ感染することはありません。

 

入浴施設におけるレジオネラ対策

入浴施設におけるレジオネラ症は浴槽水中で増殖したレジオネラ属菌を含むエアロゾルを吸い込むことによって発生します。

入浴施設では、充分に原湯または循環ろ過水を供給することにより溢水させ、塩素消毒等で浴槽水を清浄に保つことが必要ですが、それだけで十分なレジオネラ症の防止対策とはなりません。
毎日、多くの人が訪れる入浴施設では、常に入浴者の体表等に由来する有機物質が補給されており、これらを栄養源として増殖する微生物が侵入しやすくなります。
レジオネラ属菌等の微生物は、ろ過装置のろ材表面やろ過器の壁面、浴槽や循環配管の内壁などに定着して生物膜の内部で増殖していきます。また、生物膜内では外界からの不利な条件(塩素剤等の殺菌剤)から保護をされているため、浴槽水を消毒するだけではレジオネラ属菌等の微生物を除去できません。そのため、レジオネラ属菌等のすみかとなっている生物膜の発生を防止し、生物膜の形成を見つけた場合は直ちに生物膜を除去することが必要です。

また、気泡発生装置等を設置した浴槽や打たせ湯、シャワー等は、エアロゾルを発生させるのでレジオネラ属菌感染の原因になりやすい場所の1つです。

これらのことから温浴施設では、レジオネラ属菌の侵入防止レジオネラ属菌の繁殖抑制ならびに殺菌生物膜の生成抑制ならびに除去エアロゾルの飛散抑制に努める必要があります。

今回はこの中から具体的な対策として「塩素剤等による毎日の消毒管理」「定期的な配管ろ過器内洗浄」「高濃度塩素消毒の実施」についてご紹介をしていきます。

塩素剤等による毎日の塩素管理

レジオネラ属菌の繁殖抑制ならびに殺菌をするには毎日の塩素管理は欠かせません。

公衆浴場における衛生等管理要領では塩素消毒について下記のように記されています。

■浴槽水の消毒は、塩素系薬剤を使用すること。

■浴槽水中の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定して、通常0.4mg/L程度を保ち、最大1.0mg/Lを超えないよう努めること。

結合塩素モノクロラミンの場合は3mg/L程度を保つこと。

■測定結果は検査の日から3年間保管すること。

■塩素系薬剤が使用できない場合は、浴槽水を毎日完全に換水し、浴槽、ろ過器及び循環配管を十分清掃・消毒を行うこと等により、生物膜の生成を防止すること。

 

塩素濃度は高ければよいということではありません。塩素濃度が高すぎると、肌に刺激を感じたり、入浴剤退色要因になったりすることもありますので適切な塩素濃度を維持する必要があります。

塩素濃度の測定方法については以前にご紹介をしているのでそちらをご覧ください。→塩素濃度の測定方法はこちら

 

定期的な配管ろ過器内洗浄

配管内の付着物は、主に「人由来のもの」「細菌類」「水質由来のもの」に分けられます。

レジオネラ属菌の繁殖の要因となる生物膜は、「人由来」の汗や皮脂などを栄養源として「細菌類」が増殖することによって形成されます。また、「水質由来」のカルシウムや鉄等のスケールが付着することで生物膜が付きやすくなります。

公衆浴場における衛生等管理要領では生物膜の生成を抑えるために1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出するとともに、ろ過器及び循環配管について適切な方法で生物膜を除去・消毒する必要があると明記されています。

配管洗浄の洗剤には、発泡によって生物膜を除去する「発泡系洗浄剤」とスケールを除去する「酸性洗浄剤」があります。

 

<手順>

①循環水量を調整し、可能な範囲で水位を下げる。

②所定の濃度となるように薬剤を投入し、約1~2時間循環をさせる。

③中和剤を投入し、一定時間後排水をする。

④2~3回すすぎを行う。(湯張り→逆洗→洗浄→循環→排水)

 

上記写真は、発泡系洗浄剤を用いた洗浄事例です。

汚れがたまっているのがよく分かります。

 

当社では「発泡系洗浄剤」と「酸性洗浄剤」ともに扱っていますので興味がある方は下記の商品ページをご覧ください。

発泡系洗浄剤グットジョブ極はこちら    「酸性洗浄剤ロカクリンはこちら

 

高濃度塩素消毒とは…?

高濃度塩素消毒は、生物膜の付着が軽微な内に除去をする又は定着予防をすることが目的です。

<手順>

①換水前の湯を循環できる最低量まで落とす。

②塩素濃度が5~10mg/L以上となるように塩素剤を投入する。

③1~2時間循環し、逆洗と排水を行います。

※実施頻度や塩素濃度は浴槽の水質や入浴客数等に応じて適切に設定をしてください。

 

高濃度塩素消毒を行った場合と行わなかった場合を比較した写真です。【ジクロロイソシアヌル酸Na(ヘルス湯浄剤):週1回10mg/L】

高濃度塩素消毒を実施することで清浄度が維持されやすくなっていることが分かります。

 

当社では「塩素管理」と「高濃度塩素消毒」におすすめの衛生管理剤も取り扱っています。

興味がある方は下記の商品ページをご覧ください。

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レジオネラ症を引き起こさないためには毎日の塩素管理や定期的な消毒・洗浄が大切です。

お困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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